IR2の金星軌道上パフォーマンス評価
宇宙や他の天体で用いる科学機器にとって、実際に稼働する環境での性能評価や、それに伴うデータ処理方法の確立は欠かすことができません。IR2は冷凍機を用いて検出器や光学系を冷やす設計なので、金星周回軌道の熱環境から特に影響を受けます。IR2のそうした振舞いを理解し、画像データの品質向上に取り組みました。 電気的に4分割されている画面のスムーズなつながりや、一様光に対する反応特性の定式化、そして金星の明るさを精密に測るための係数を確立しています。このようにして「品質保証」されたIR2データは今後、大気のダイナミクスや雲の生成・維持・消滅などの研究におおいに使われることと期待されます。
この研究成果は、Satoh et al. "Performance of Akatsuki/IR2 in Venus orbit: the first year" として、惑星科学専門誌 "Earth, Planets and Space" に2017年11月に掲載されました。