「あかつき」IR2カメラ、金星雲の微細な凹凸の可視化に成功！
金星探査機「あかつき」に搭載された赤外線カメラIR2のファーストライト画像が届きました。
IR2は波長２ µm付近に感度を持つ赤外線カメラです。観測のためには検出器を摂氏-200度以下まで冷却する必要があり、他の3カメラより立ち上げに時間がかかりましたが、周回軌道からの金星「初」画像を得ることに成功したものです。
撮影は12月11日で、公開済みの3カメラ画像の4日後です。金星大気のスーパーローテーションを考慮すれば、ほぼ同じ領域を見ていることになります。観測波長の2 µm付近は二酸化炭素の強い吸収帯に当たり、雲頂の高低が画像の明暗として現れます。画像を見ると、南北半球ともに緯度50度付近よりも極側で雲頂が低くなっていることがわかります。これは、従来から知られていた性質です。それに対して、低緯度の縞模様や南北に延びる構造は、今回初めて捉えられた構造です。今後の観測と解析によって、金星雲層と大気のダイナミクスを解明する手がかりになると期待できます。
ギャラリーでは、「あかつき」が撮影した金星の画像を撮影時の軌道の情報とともにご覧いただくことができます。